野球をまったく知らないのに、夫の死に伴って「東海レインボーズ」のオーナーとなった虹森多佳子。彼女は、いつも優雅なドレスに身を包み、球場に訪れるのだが、なぜか、野球場周辺で奇妙な事件に遭遇してしまう。
おっとりした口調で、彼女が謎解きをするのとあわせて、万年最下位チームの「東海レインボーズ」が、どういう風のふきまわしか優勝争いに食い込んで行く、というミステリーとスポーツドラマをあわせたような構成のミステリー。
収録は
「幻の虹 ー東海レインボーズ対京華チャレンジャーズ 1回戦」
「見えない虹 ー東海レインボーズ対札幌ポラベラーズ 4回戦」
「破れた虹 ー東海レインボーズ対北九州スキップジャック 13回戦」
「騒々しい虹 ー東海レインボーズ対中央フリークス 18回戦」
「ダイヤモンドにかかる虹 ー東海レインボーズ対難波マシンガンズ 26回戦」
と、シーズンの最初から、優勝決定の試合までの、野球の1シーズン。
第1話の「幻の虹」は、虹森多佳子オーナーの初登場作。彼女が野球観戦をしている近くで遠慮容赦ない野次を飛ばしている関西弁の3人組(話の最後の方で関西の人間ではなく、関西の野球の応援の様子に惹かれて、見様見まねで関西弁を使っている仙台人であることがわかるのだが)。彼らの近くで、野球をみるでもなくスコアボードを気にしていた陰気な男が、突然、鞄にいれた一万円札を撒きはじめる。その男のいうには、息子を誘拐した犯人から、この野球場でお金を撒くよう脅迫されたというのだが・・・、という事件。
途中でおきる殺人事件と絡んで、アリバイづくりもうまくやらないと、アリバイづくりにならなくなる、とりわけ金が撒かれると、我を忘れる人間はでてくるからねー、というあたりがネタバレか。
第2話の「見えない虹」は 野球を通じて知り合ったペンフレンドが、始めて会ってデートをする話。しかし、女性の方は容貌に自信なく、つい美人の妹の写真を自分だと偽って、男へ送ってしまっていた。彼女は、妹が急病になり、申し訳ないので謝りにきた姉、という設定で、彼氏と大ファンの東海レインボーズの試合を見ることになる。ところが、球場周辺で、高校の教師(かなりねちっこく生徒をいじめる教師だったらしい)が、自宅でヘッドフォンをつけたまま撲殺されるという事件がおきていて、彼氏が、その高校の卒業生、おまけに、その教師にいじめられて高校を退学したということがわかり、殺人犯人と疑われることに・・・、といったもの。
ちょっと犯人に疑われることになるきっかけが唐突かなー、と思わないではないのだが、このカップルの将来に免じて許すとしよう。ネタバレは、生徒をいじめにひっかける道具にヘッドフォンカセットやラジオを使っていた教師が、ヘッドフォンを好んでつけるか、といったあたり。
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