2006年5月 3日

梅田望夫 「ウェブ進化論」

最近のはやり言葉ではあるのだが、何のことやら、いまいちよくわからないweb2.0をはじめとした、インターネットを中心としたウェブ社会の、これからをとりあげた本。

基本としては、「子供の頃から、こうした新しい道具を与えられた世代からは、明らかに旧世代とは違うリテラシー(表現能力)をもった人たちが数多く育っていくに違いない」ということを背景に、「これから始まる「本当の大変化」は、着実な技術を伴いながら、長い時間かけて緩やかに起こるものである。短兵急ではない本質的な変化だからこそ逆に、ゆっくりとだが確実に社会を変えていく。「気づいたときには、いろいろなことがもう大きく変わっていた。」というのが主旨。

そして基本スタンスとして、そうした変化を望ましいものとして捉えているように思えるのだが、
「人は、ネットの世界に住まなくたって、これまで通りのやり方で生きていける。そう思う人たちがマイノリティになる時代はそう簡単にはやってこない。
ゆっくりと確実に変わっていく社会の姿とは、二つの価値観が融合し、何か新しいものが創造される世界だろうか。それともお互いに理解しあうことのない二つの別世界が並立するようなイメージとなるだろうか」
といったあたりが、よくある進化論的なネット崇拝の議論とは違うところ。

へーと、関心させられた一つは、

「次の10年への三大潮流」を「インターネット」「チープ革命」「オープンソース」と定義づけ、それらが相乗効果を起こし、そのインパクトがある閾値を超えた結果、リアル世界(バーチャルなインターネットの世界と対立させるように、筆者は現実社会をこう表現している)では絶対成立し得ない「三大法則」とも言うべき全く新しいルールに基づき、ネット世界は発展を始めた。その「三大法則」とは

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2006年2月11日

森永卓郎 「新版 年収300万円時代を生き抜く経済学」(知恵の森文庫)

小泉政権の推し進める「構造改革」によって、「総中流」といわれていた日本の階層は、「富裕層」と「貧困層」に極度に分化していく。きっと、一般サラリーマンの年収は300万円程度になるだろう。いや、それも気楽に獲得できる収入ではなくて下手をすると年収100万円程度の階層へなる危険性も秘められている。

さあ、どうしますか。と問いかけてくる本である。


著者は、いわゆる小泉改革に賛成ではない、というか、むしろ反対派だろう。小泉政策を、金持ちと官僚に住みやすい国をつくろうとしている政策だ、とまで言い切っている。 しかも民主党も、同じ穴の狢ぐらいに言ってたんじゃなかったかしら。 少し昔になるが、道路公団の会議の時も委員長どころか改革派といわれていた猪瀬直樹氏にも噛み付いていたし、郵政改革のときも派手に反対論をぶつけていたように思う。
そうした筆者が、小泉改革の果てにある貧富の差の拡大した「新・階級社会」となる日本で、日本人を幸せにするモデルをアメリカとヨーロッパを比較して考えると、

アメリカもヨーロッパも貧富の差は歴然としてある。その違いは、アメリカは所得と社会的地位が比例する社会、大陸ヨーロッパは厳然とした階級分断(貴族と一般庶民)が残る世界。アメリカには数は希少とはいえ「アメリカンドリーム」の夢はあるが、ヨーロッパでは、一般庶民が貴族になりあがることはない。


それらを総体として考えても、今後、貧富の差が大きくなっていく日本で日本人を幸せにするモデルは「大陸ヨーロッパ」。お金はちょっときつくなっても、「ゆとり」を目指す生活を始めては、というのが主な論旨。

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2006年2月 9日

斉藤 孝 「三色ボールペン情報活用術」 (角川oneテーマ21)

いまさら、という感じがして恥ずかしいのだが、やっと読みました。


斉藤 孝さんって、やたら賢そうで、妙に納得させられそうで、苦手だったんですよね。
でも、思い切って読むと・・・、妙に納得させられて感化されてしまいました。

三色チェックは、資料を「自分」の中に取り込む作業だ

ということで、三色ボールペンといっても、実は三色ではない。黒を除外するから、四色ボールぺンの「赤」「青」「緑」を使って、書物に限らず、テキストを読み砕き、優先順位をつけ、資料を解体して、自分の血肉とする手法、というよりは「哲学」を語った本である。





「赤」は、それを落としてしまうと本質を欠くという部分

「青」は、そこまで強くない。とりあえず重要というところ

「緑」は、自分のセンス、自分のアンテナに引っかかってくるところ。とにかく自分はよいなと思うところ


といった基準で、本から資料から、ありとあらゆるテキストに、その基準で線を引き、丸でぐるぐる囲いをし、果てはメモや手帳もその色分けで記そうと提案しているのが、この本である。



いくつか、気をひいたところを引用すると

キーワードを見つけながら読むという方法は、その本の著者、あるいはその資料の作成者の表現したいことを的確につかむこと・・・いうなれば「情報ハンター」になることだと思う。

とか


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2005年12月11日

内田洋子 「イタリア人の働き方ー国民全員が社長の国」(光文社文庫)

イタリアというと正直のところ、あまり勤勉なイメージを持っていない。恋を語るには熱心だが、ビジネスとか仕事ということになると、とたんにテンションが下がってしまう国民のように思っていた。なぜローマ帝国やルネッサンス期のヴェネチア共和国のような優れた政体や政治を持っていた国が、そうなったのか。そのくせ、一メーカーをとってみると業界リーダーのような会社がなぜ多いのか、ずっと疑問をもっていたときに出会ったのがこの本。

一読してすべて氷解というわけではないのだが、一番の収穫は、国家とか自治体とか、そういう組織には関係なく元気で個性のあるイタリアの零細企業の数々を知ったこと。

紹介されているのは

たくさんの有名人が訪れる靴磨きの名人の店(ロザリーナ・ダッラーゴ)

何を着て何を買えばよいか、金持ちたちの買い物すべてにアドバイスするパーソナルショッパー(クラウディア・ベルトリーニ)

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2005年12月 3日

沼上 幹 「組織戦略の考え方」(ちくま新書)

会社をはじめとして、いわゆる「組織論」に関わっている人には、例えば日本的経営を賞賛する風が一点してアメリカ型組織を絶賛する風に変わってしまったことへの違和感など、参考になるところや同意できるところも多いと思う。

構成は

第1部は組織に関する基本的な議論
第2部は日本の組織の劣化に関する議論
第3部は組織の腐り方についての分析、対処法

まず官僚制である。筆者は、「官僚制」を悪者として扱ってはいない。

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2005年11月27日

山田真哉 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」(光文社新書)

会計士で、「女子大生会計士の事件簿」の作者でもある山田真哉氏の、「やさしい」会計学の本。

筆者は「本当の会計学入門書をつくるために会計の常識からいったん離れよう」との決意でこの本を始める。こうした意気込みで始まる入門書、特に会計とか法律の入門書は、やさしいものであった例がないのだが、この本は結構サクサクと読めた。


興味をひくエピソードに沿って会計学の知識が学べる本である。会計の常識から離れた会計学入門書というのは偽りないと思う。
(何度も簿記や会計学を投げ出した私が、そう感じるのだから間違いない)

エピソードは
 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」
 「ベッドタウンに高級フランス店の謎」
 「在庫だらけの自然食品店」
 「完売したのに怒られた」
 「トップを逃して満足するギャンブラー」
 「あの人はなぜいつもワリカンの支払い役になるのか」
 「数字に弱くても「数字のセンス」があればいい」
の7つ

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2005年11月18日

マイケル・デル「デルの革命」(日経ビジネス文庫)

皆さんもよくご存知であろう、DELLの総帥の著書である。

コンピュータ販売をダイレクト販売・インターネット販売という方策を使って根幹から変えてしまい、今では世界ナンバーワンの売り上げを誇る企業にまで急成長させた経営者自らの話だから、かなり斬新で、エクセレンスである。
成功した人が、成功した手法について語っているため、成功の理由を後でつけた感の部分があるのは否めないのだが、やはり、あの当時、こうしたダイレクト販売を始める、といった勇気と見切りの良さ、アイデアの突飛さは、なかなか真似のできるものではない。
私のような凡庸なサラリーマンは、へーっと驚いて読むしかないような事例が多々あるのと、成功物語につきものの、なにかしらの爽快感、高揚感がある一冊。

そうした、いわゆる成功物語の部分を差し引いても、一流のビジネスマンの発言として、うならされる箇所は多い。

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「ナンバーワン企業の法則 勝者が選んだポジショニング」(日経ビジネス文庫)

すべての分野で価値を収める企業はないという前提から、いままでナンバーワンという呼称のもとにひとからげに扱われていたさまざまな市場を支配していたリーダー企業を
・オペレーショナル・エクセレンスを目指す企業
・製品リーダーを目指す企業
・カスタマー・インテマシーを目指す企業
の3つに分類し、それぞれの企業の行動原理や価値基準を分析して、勝ち残っていく企業のあり方を提示している。

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2005年11月14日

堀江貴文 「100億稼ぐ仕事術」(SB文庫)

なにかと話題の多い、ライブドアの堀江会長の仕事術、ビジネスのやり方を「ヒト」「ジカン」「ジョウホウ」「カネ」「ツール」の5つの切り口から、綴ったもの。

傍若無人で拝金主義の権化のようにいわれることもある筆者であるが、ネット業界で雄をなしている人だけあって、やはり、その仕事のやり方はスキがない。

メールを仕事の基本にして、一日5000通読むとか、
ノートパソコンにアポイントから何から仕事にかすることはすべて入れておく、
PCのショートカットキーを使うとか
やるべき仕事は全てメールで自分あてに出し、デジタルに管理する

とか、やはり、ITで一時代を築きつつある人だけに、IT機器やIT的な考え方にどっぷりつかっているのだなー、と思っていると、

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