吉田ルイ子「ハーレムの熱い日々」(講談社文庫)
ハーレムに象徴される、アメリカにおける黒人問題に代表される人種差別について書かれた、もう「古典」といっていいほどの本だろう。恥ずかしながら、この本のあまりの有名さに怖気をなしていたのか、今まで読んだことがなかった。人種問題ということからある種の説教臭さ、プロパガンダ臭さを連想してのことだったように思う。
ところが、リサイクルショップで偶然手にして、立ち読みをしたら・・・
どうして、どうして、単純な思想本ではなく、ハーレムに暮らす人々を含めた一時期のアメリカのすばらしいルポではないですか。
本書で綴られているのは、筆者が大学卒業後、白人のアメリカ人と結婚して渡米する1962年から1971年までの記録である。時代的にはベトナム戦争まっさかりで、ケネディ大統領が暗殺されたり、黒人の公民権運動がピークを迎えるが指導者のマルコムXやキング牧師がノーベル平和賞受賞後数年して暗殺されたりしている、(管理人は、幼児期から小学校にかけての茫漠とした頃なので時代的な雰囲気を語れないのだが)かなり世界史的にも騒然としていたであろう頃である。