「パーフェクトブルー」で大活躍した、元警察犬マサの短編集。
収録は「心とろかすような」「てのひらの森の下で」「白い騎士は歌う」「マサ、留守番する」「マサの弁明」
蓮見探偵事務所の調査員で所長の娘のボディガード、元警察犬のマサの視点から書かれたミステリーの掌編。マサの語り口が、また良いのですねー。そして、マサの目にうつる、所長の娘、加代ちゃんが、また一本気でかわいらしい。「パーフェクトブルー」を読んでなくて、こっちから読み始めても「好」な短編集である。
「パーフェクトブルー」で大活躍した、元警察犬マサの短編集。
収録は「心とろかすような」「てのひらの森の下で」「白い騎士は歌う」「マサ、留守番する」「マサの弁明」
蓮見探偵事務所の調査員で所長の娘のボディガード、元警察犬のマサの視点から書かれたミステリーの掌編。マサの語り口が、また良いのですねー。そして、マサの目にうつる、所長の娘、加代ちゃんが、また一本気でかわいらしい。「パーフェクトブルー」を読んでなくて、こっちから読み始めても「好」な短編集である。
筆者の長編デビュー作にして、蓮見探偵事務所の元警察犬マサのデビュー作でもある。
しかし、長編デビュー作しては、うまいですね~。さすが、今は、日本推理小説界どころか小説界を代表する作家にまでなってしまった筆者のデビュー作なだけはある。
ことわざ的にいうと「栴檀は双葉よりかんばし」といったところか
話は、東京湾を臨む工業団地で、火の手があがる。その火の中では、人間が燃えていた、
という場面から始まる。
この燃えていた人間は、高校野球のエースで諸岡克彦。このエースの弟で不良っぽい諸岡進也と、彼が結果的に転がり込むことになる蓮見探偵事務所の面々(所長、調査員でもある長女の加代子、次女の糸子、そして、元警察犬のマサ)が、この陰惨な殺人事件の犯人を捜していく物語である。
最初は、克彦の幼馴染で、交通事故から今は野球を断念してドロップアウトしている山瀬という少年が犯人ということで一件落着ということになりかけるのだが、そうは問屋がおろさない。
会計士で、「女子大生会計士の事件簿」の作者でもある山田真哉氏の、「やさしい」会計学の本。
筆者は「本当の会計学入門書をつくるために会計の常識からいったん離れよう」との決意でこの本を始める。こうした意気込みで始まる入門書、特に会計とか法律の入門書は、やさしいものであった例がないのだが、この本は結構サクサクと読めた。
興味をひくエピソードに沿って会計学の知識が学べる本である。会計の常識から離れた会計学入門書というのは偽りないと思う。
(何度も簿記や会計学を投げ出した私が、そう感じるのだから間違いない)
エピソードは
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」
「ベッドタウンに高級フランス店の謎」
「在庫だらけの自然食品店」
「完売したのに怒られた」
「トップを逃して満足するギャンブラー」
「あの人はなぜいつもワリカンの支払い役になるのか」
「数字に弱くても「数字のセンス」があればいい」
の7つ
どくとるマンボウこと、北杜夫さんの旧制高校入学から大学医学部卒業まじかの時期までの青春記。
時代としては、第2次世界大戦終了後まもない頃で、旧制高校から新制大学に切り替わとるころ。この本で、一番精彩を誇るのは、なんといっても、シュトルムウントドランクだかバンカラの名の下に、噴出す力を、そのまま無統制に噴出させた印象にある旧制高校の寮の話である。
学生時代というのはもともと金がないことが多い上に、終戦直後の食糧難がかぶさるから、やっていることも今の学生の生活に比べたら貧しいことはいうまでもない。
寮の火鉢から灰の中に埋もれたタバコを掘り出して吸ったり、無上の至福は腹いっぱい白米をくうであったりする時代である。。
そのかわり、哲学に(意味もよくわからないのに)妙にかぶれたり、奇妙な風体でインターハイ参加(当時は、ろくにユニフォームもない、ある意味、気楽なスポーツ大会だったようだ)や寮を壊しそうななった寮祭。学内試験では答えと関係のない詩や絵を描いてお情けの点数をもらって、追試を4回も受けるが、なお落第判定の会議では当落選上をうろうろしたり、といった青春時代である。
そうした破天荒な学生生活を営みながら、「蛙の子は蛙」ということか、斉藤茂吉の次男である筆者が徐々に「文学」というものに惹かれ、どっぷりとつかっていく様も興味深い。
人間は、皆、なりたいと思うものになっていくものらしい。
「旧制高校」といっても歴史書の中に単語になってしまっているが、いつの時代も共通する、金を持ってないが、力と熱情はたっぷりあって、暇に恵まれているが、異性には縁がないという、今でもありそうな青春が、この本の中には息づいている。
(そういえば、石原慎太郎の「太陽の季節」とほぼ同時代の青春記であるはずなのだが、「どくとるマンボウ青春記」の方に共感とノスタルジーを覚えるのは、なぜだろう)
中国の職人たちのインタビューで構成された、革命以前から、文化大革命をへて、現在へと続く伝統の手工芸の記録。
収録は
陶磁器(景徳鎮)、急須(宜興)、櫛(常州)、切り絵(河南村)、凧(維坊)鳥篭(北京・南人村)、胡弓(北京・瑠璃廠)
といった品々。
インタビューを受ける職人たちは、いずれも昔の徒弟奉公の時代から、そうした手工業をはじめ今まで、その技をつないできた人たちの話である。
一様に、徒弟奉公の時代は、師匠に殴られはしたが、きちんと技術を盗みながら教えられてきたことを懐かしみ、今の時代は、弟子入りしてくる子供に強いことも言えない時代で伝承もままならないのを嘆く姿が共通している。
どうも、伝統芸能、技能の伝承といったことでは日本も中国も同じらしい。