倉知 淳 「日曜の夜は出たくない」(創元推理文庫)

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仔猫のようなまん丸い目をした小男で、定職にはついてはいない。どうやって生計をたてているかは全く不明だが、時推理をさせたら抜群の才能を示す、「猫丸先輩」が登場する倉知 淳さんのデビュー作である。

収録は「空中散歩者の最期」「約束」「海に棲む河童」「一六三人の目撃者」「寄生虫舘の殺人」「生首幽霊」「日曜の夜はでたくない」の7作。
デビュー作ではあるが、それぞれに風味のかわった作品ばかりが用意されている。


最初の「空中散歩者の最期」は、男が墜落死している。ところがあたりの高いビルなどの建造物からは離れたところに落ちており、まるで空中を散歩している途中に、不意のアクシデントで落下して死んだような感じの事件の死因を推理するものであるし、「約束」は、公園でお話をするのを常としていた少女と中年の「おじさん」。その「おじさん」が公園で睡眠役自殺を遂げる。少女に自分の汚職を告白し、警察に自首することにするが、その前にもう一度少女に会って手品を見せる約束を果たさずに死んでしまった中年男の死の謎を解き明かすもの。
ちょっと間を飛ばして「日曜の夜は出たくない」は、恋する相手の男と別れた日曜の夜は近くで通り魔事件が頻発する。もしや、その男性の仕業では、と気をもむ女性の心配を晴らすといった風である。


7作とも、作品の持ち味というか風味が変わっていて、「約束」のリリカルな風情から、「寄生虫舘の殺人」のようなちょっとコミカルなタッチまで、まるで習作というか、作品の味わいとトリックの多様さを試しているかのような手練の技を見せてくれる。

で、ふんふんと作者の技に載せられて読み進んで、まあ、ちょいとした暇つぶしになったよね、と解説にいこうとしたら、なんと、最終話と解説の間に

誰にも解析できないであろうメッセージ

蛇足ーあるいは真夜中の電話

といった挿入話がある。

「なんじゃ、これは」と読むと、最初のは、作者からのなんというか、ちょっと凝り過ぎっぽいお遊びの説明。作品間に脇役のバトン渡しがあるとか、作品内に妙な文章が入っていて、その頭文字をつなげると、妙に目出度いメッセージが隠されているとか、ちょっと誰もみづかないぞー、とばかりの仕掛けのお話。


で、もう一つは、というと・・・。うーむ、こんな「どんでん返し」を最後にもってきちゃいけないじゃないのー、と思った次第である。詳細は原本で、どうぞ。

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このページは、辺境駐在員が2006年7月11日 19:19に書いたブログ記事です。

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