2006年9月アーカイブ

なんとなく精神的にというか、人付き合いや世間のあれこれが面倒臭くなって疲れてきた時に、旅本をやたら読み耽る癖があって、今がその時期である。 力が戻ってきたら、ミステリーやSF、果ては歴史物までわしわしと読み進めたいのだが、ちょっと今はダラダラと疑似旅行をしているところ。


で、そんな今、書店で思わず手にとったのが、本書である。
表紙は若そうな女性がでかい河か海で泳いでいる姿がどんと写っていて、「なんじゃこりゃ」と思ったのがきっかけだった。


女性の旅本の書き手といえば、私的には岸本葉子さんを一番にあげたくて、彼女のちょっと上品っぽいというかお嬢さんっぽい旅行記やら留学記が好きだったのだが、この本の作者、たかのてるこさんの語り口はちょっとそれとは違う。下品っぽいのだが猥雑ではない、チャラついているようで以外に根をはっている、そんな感じである。

収録は

TRAVEL アジア編

TRAVEL インド編

のふたつで、「アジア編」の方が、初めての海外旅行。それも当然,貧乏バックパッカー旅行。インド編が、その数年後の大学の卒業旅行である。


海外一人旅にでかける動機っていうのが、「自分を変える」というか「変わりたい」っていうところで、この辺はそんじょそこらの旅行記とあまり変わらないのだが、思わず笑ってしまうのが、一人海外旅に出ると決めた後、死ぬかもしれん、日本に帰ってこれへんかもしれん、と友人にやたらめったら電話をかけまくるあたり。
かけられた友人も、海外のおっかない話をわんさと喋ゃべくる、とんでもない友人だったりする。

一体、「文士」という輩は、どんな食い物を好んでいたか、というよりは、どんな食い物に取り付かれ、彼らの中で「食事をする」というのはどういう位置を占めていたのか、といったあたりを、これでもかってな感じで見せてくれる本である。

著者の嵐山光三郎さんは、編集者あがりの作家で、この本に紹介されている文士(小説家じゃないですよ。「文士」ってな表現はがぴったりくるような、教科書の日本文学史にでてくるような人達ですよ)の人の幾人かとも面識が会ったようで、その筆致もやさしいようで、かなり厳しい。まるで、こうした「文士」たちの彼らが隠しておきたかった部分を、ぐいぐいとえぐってくるのである。

こうした「文士」たちの性癖というか食癖も、それぞれで、なんとなく作品から想像できるものから、えーっといいたくなるような悪趣味なものまでさまざまである。

泉鏡花は、大根おろしを煮て食うほどの潔癖症であったあたりや、

三島由紀夫は食い物を食うというよりは、食い物の知識を食っているような人であったり

とか「やはりね」と思わせるものもあるのだが、

kuubakusaretara.jpg
体をはって、世界の戦場をかけめぐる、毎度おなじみのカメラマン宮嶋茂樹さんのコソボ紛争の体当り撮影記である。


と書いたところで「コソボ紛争」ってなんだったかな?と国際情勢にもかなり疎く、宮嶋氏の言葉で言えば「平和ボケ」している管理人は、素朴な疑問を抱いてしまい、ちょっとググってみる。


WikPediaによると


紛争は自治州内で90%を占めるアルバニア系住民が独立運動を行なったことにセルビア系住民及び連邦・セルビア政府が反発したことに端を発する。

コソボ自治州ではチトー時代の1974年憲法により大幅な自治権が認められていたが、セルビア当局は1990年7月、自治州政府・議会を廃止、事実上自治権を剥奪した。これを受けて9月には
アルバニア人議員が「コソボ共和国」の独立を宣言する。

しかし「コソボ共和国」は国際社会からも無視され、1995年のボスニア紛争終結の和平会議でもまったく顧みられることはなかった。

一向に進展しない情勢に業を煮やしたアルバニア系住民の中には、ルコバの非暴力主義では埒が明かないと、武力闘争を辞さない強硬派のコソボ解放軍(KLA)を支持する者も多くなった。

またアメリカやEUがコソボ解放軍を支援していたとの情報もある。コソボ解放軍は1997年7月頃からセルビア系住民へ対しての殺害や誘拐などのテロ活動を行うようになり、1998年には遂にユーゴ連邦政府は反乱を鎮定するべく連邦軍を送り込み、コソボ解放軍との間で戦闘となった。

というあたりが発端らしい。そして

本ブログ再開が、「食べ物本」で「沖縄本」だったので、今回も下川さんの沖縄本をとりあげよう。下川さんといえば、東南アジア、とりわけタイやミャンマー、ラオスあたりの旅本が多いのだが、最近は「オキナワ」ものも増えてきた。

この本を読んだらわかるのだが、タイ入りするときも最近は那覇経由で行くぐらいの「沖縄フリーク」になっているらしい。

もっとも、「沖縄フリーク」といってもスキューバをやったり、釣りをしたりといった類ではなく市場や夜の街をうろついたり、ぼんやりと短いながらも島暮らしをしたりといった、ダラダラ系である。

本書の収録は

「沖縄カツ丼はチャンポンだったか」
「インスタントラーメンを食べにいく」
「沖縄式自動販売機、裏街道をゆく」


「南の島のサービス論」
「ルートビアお替わり自由という愛の踏み絵」
「歩かないウチナーンチュとの虚しい戦い」
「非合法島豆腐、沖縄の島々に君臨す」
「放っておいてくれない居酒屋物語」
「沖縄式ビーチパーティーの顛末」
「頼りない男たちのいるビーチ」
「宮古島に敷かれる泡盛本位制」
「カビの匂いを求めて那覇ホテル放浪記」
「風の島・沖縄の石敢當」
「沖縄そばを食べてアジアに向かう」

の14編

いずれも、ダラダラ、フワフワ、ノンビリといった形容詞が読むと頭に浮かんでくるエッセーである。


ひさびさのエントリーで、ちょっと気張ってみようかな、とも思ったのだが、結局「食べ物本」でしかも「沖縄本」に落ち着いてしまった。

章立ては
第1章 コンビニエンスストアーなじみの店で発見したオキナワ
第2章 スーパーマーケットー常備しておきたい沖縄の味のもと
第3章 市場ー公設市場で見つけた気になる沖縄素材たち
第4章 沖縄菓子屋ー小腹が空いたおやつどき3時の危険地帯
第5章 健康食品ー長寿社会を支える沖縄の秘密兵器
第6章 食い物屋・飲み屋ー世界に類をみない個性的ひと皿
第7章 沖縄の食卓ー覗いてみたい沖縄伝承の味
第8章 沖縄食材お持ち帰りーこだわりの味を再現実験してみる

で、この章立てを見てもわかるように、単なる沖縄の名物料理の紹介本ではない。というよりも、沖縄の家庭からスーパーマーケットまでの、沖縄で暮らしている人が日常、気にもとめずに食べ、飲んでいる食べ物をあれやこれやと取り上げた一冊である。

とりあげられるものは、チャンプルーやポーク玉子、泡盛から島豆腐や、果てはくるま麸、シマナからダシ昆布まで、と幅広い。

しかも、執筆している人たちが、沖縄生まれで今も沖縄に住んでいる人から、今は本土(っていう表現でよいのかな、ウツナーンチュー的には)に住んでいる人から、本土生まれで沖縄に深く見せられてしまった、いわゆる沖縄中毒の方たちまでと、これまた幅広いのが、沖縄の美味いものの紹介本としての厚みを出している。

どんな食べ物がでてくるのかは、この本を買って、じっくり賞味していただきたいが、ちょっと紹介すると

ジャンクフード系では

缶詰食品のポークランチョンミートのスライスと卵を焼いて、それにライスがつく大衆食堂の定番料理の「ポーク玉子」をそのままおにぎりにした「ポーク玉子おにぎり」

とか

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