「丹精」という最近では、あまり聞かれなくなってしまった言葉に惹かれて、本書を開いた。
分類的にいえば、「モノづくり」の本である。しかも、単純に「工」に分類される「モノづくり」ではなく、日本人の精神の中に脈々と息づいている、「職人」的な「モノづくり」に携わる人たちの物語である。
本書の章立てによって紹介すると
「第1章 脱上式の引き金」では、地元のいわゆる雑魚を干物にしている(縄文干しという名らしい)干物業者
「第2章 消費者との距離」では、山間地で米作りと林業を営む農林家
「第3章 変化に立ち向かう気骨」は、造船業から鉄材をつくった斬新な建築施工を行う鉄材加工メーカー
「第4章 祝祭を運びこむ職人力」では、飛騨に本拠を置きながら、東京の流行の最先端のビルの内装を扱う左官集団
「第5章 物づくりの勇気」は、イタリアで評価されている、沈滞した老舗から蘇った岐阜の家具製造業者
がそれぞれ扱われている。
いずれも、個性あふれるモノづくりの担い手なのだが、共通しているのは、「丁寧さ」ということ。
