2005年11月13日

塩野七生 「ローマ人の物語 23 危機と克服〔下〕」 (新潮文庫)その2

この本で、印象に残った言葉たち

ローマがあれほど長命だったのは、ローマ人が他民族を支配したのではなく、他民族までローマ人にしたからだ。

ローマ史とはリレー競争に似ている。既成の指導者階級の機能が衰えてくると、必ず新しい人材が、ライン上でバトンタッチを待っているという感じだ。
権力者が権力を保持し続ける要因には、その人に代わりうる人物がいないからやむをえず続投してもらう、である場合が少なくない。言い換えれば、後継者難のおかげで、機能不全に陥った既成の支配階級でもあいかわらず権力を保持し続ける、という状態である。そしてこの結果は、衰退を止められなくなったあげくにやってくる、共同体そのものの崩壊だ。つまり、バトンタッチする者がいないために走り続け、ついにはトラック上で倒れて死ぬ、という図式である。

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塩野七生 「ローマ人の物語 23 危機と克服〔下〕」(新潮文庫)

ヴェスパシアヌス死後、二人の息子が順番に即位。しかし、それぞれ病死、暗殺といった不幸な形で政権を譲っている。この二人が若くして死んでしまうので、フラビウス朝は、ここで断絶。その後、ネルヴァ、トラヤヌスと続く、いわゆる5賢帝の時代へ続いていく。
この本では、トラヤヌスが即位するところまで。

ヴェスパシアヌスの没した後、まず長子のティトゥスが即位。やる気があって、経験も豊富、暖かくて素直な人柄の人だったらしいが、いろんな事件が多すぎた。ポンペイを生き埋めにしたベスビオス火山の噴火、その後に、首都ローマの大火事。その次の年にはイタリア中に疫病が蔓延。即位していた期間は2年間らしいが、立て続けに災厄が訪れたらしい。ティトゥスは、不眠不休で陣頭指揮。ついでに自分も疫病にかかりあえなく死去。

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2005年10月29日

塩野七生 「ローマ人の物語 22 危機と克服〔中〕」(新潮文庫)

文庫は平成17年10月1日初版。定価438円+税で購入。

ネロの死後の3人の頼りにならない皇帝が即位している間、といっても、皇帝ガルバの即位が紀元68年6月で、三人目の皇帝ヴィテリウスの死が紀元69年12月だから、ほんの1年半ぐらいの間、ローマ人の同士討ちに触発されて、ゲルマン、ガリア、ユダヤで氾濫がおきる。この巻の前半は、この反乱と鎮圧の話。

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2005年10月24日

塩野七生 「ローマ人の物語 21 危機と克服〔上〕」(新潮文庫)

ネロが自殺した後のローマ帝国。
死後、ガルバ、オトー、ヴィテリウスと3人の公定が順番に即位するが、ガルバが6ヶ月、オトーが3ヶ月、ヴィテリウスが8ヶ月という短期間で入れ替わる。しかも、3人とも殺されるか、自殺。それでも、ローマ帝国は続いたのだから、屋台骨がしっかりしていて、民族が力を失っていない間は、少々、上がぼんくらでも大丈夫という実証。
ローマ人の物語(21)

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2005年10月 9日

塩野七生 「ローマ人の物語 20 悪名高き皇帝たち[四]」(新潮文庫)

今に至るまで、暴君、暗君として評価されるネロの登場である。
しかし、この本を読む限り、馬鹿でどうしようもない皇帝ではない。
特に統治の最初の頃は、セネカなどの補佐が良かったせいかもしれないが、ローマ市民や元老院の評判は悪くなかった。むしろ熱狂をもって迎えられていたとは意外。
もっとも、見栄えのしないクラウディウスの後なので、若くて見栄えがよければ、誰でもよかったのかもしれないが・・・・。

ローマ人の物語(20)

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2005年9月25日

塩野七生「ローマ人の物語」 19 悪名高き皇帝たち[三](新潮文庫)

カリグラが暗殺されて、歴史家皇帝クラウディウスが即位。「歴史家皇帝」といえば聞こえはよいが、スポーツもできず、格好も悪い男が、勉強に逃げ込んだという構図かな。本人も皇帝になるなんて露ほども思っていなかった様子。
派手な出演者の後は、地味な芸達者が締めるのは通例で、このクラウディウスも、そんなタイプ。いい味だしていたらしい。しかし、風采があがらないと、ファンはつかない・カリグラの財政や外交の失敗を帳消しにして帝国を再び安定させたのに、ほとんど尊敬されなかったらしい。

ローマ人の物語(19)

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塩野七生「ローマ人の物語 18 悪名高き皇帝たち[二](新潮文庫)

ティベリウスがカプリ島へ隠遁(というか、遠隔政治)を始めるころから。手堅くてみんなが本当は平和でハッピーなはずなのだが、まったく人気が出ないまま死没。その跡は、やたらノー天気のカリグラが即位して、派手なことばかりやってるうちに、腹心の部下によって暗殺されるまで。

ローマ人の物語(18)

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塩野七生「ローマ人の物語 17 悪名高き皇帝たち[一](新潮文庫)

初代皇帝 アウグスティヌス没後のローマ皇帝(5代皇帝 ネロまで)のシリーズの文庫本第17巻。
あちら(ヨーロッパ、アメリカ)では評判悪い皇帝達らしいが、先入観ないこちら(私みたいな輩)は構わず読み進めよう。
この巻は、陰気な2代皇帝 ティべリウスのお話。
無用な戦争は避ける勇気もあり、食糧政策や国家運営も十分にこなし、私生活では浮気もせず、派手なギャンブルもしない品行方正な親父の不人気物語。
(あちらでは隠居後の島で、美少年達と酒池肉林なんて話があるらしいですが・・・どうもガセ)

ローマ人の物語(17)

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